海外危機管理情報 2024年2月8日版 | JCSOS 海外留学生安全対策協議会|教職員向け

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海外危機管理情報 2024年2月8日版

海外危機管理情報

1.【フランス】パリ:駅構内で無差別攻撃事件
 2月3日、パリのリヨン駅で、男が刃物で3人を刺傷する事件が発生した。1人は重傷、2人は軽傷。容疑者は3人を攻撃した後、周囲にいた人々により取り押さえられ、鉄道警察到着次第、逮捕されたという。現地報道によれば、容疑者はマリ国籍の男でイタリアの運転免許証を持っていたとのこと。動機は不明だが、攻撃する際に宗教的なスローガンのような言葉は吐いていなかったとみられている。
 リヨン駅はパリの主要な駅の一つである。

ワンポイント・アドバイス
 パリは、今年はオリンピックに向けていつも以上に世界中から大勢の人が来ると予想される上、パリで事件を起こすことで注目されることを狙った無差別攻撃等が発生するリスクも高くなる可能性がある。
 パリやフランス滞在中またはこれから渡航予定の場合、自分の周囲には常に気を付け、異変を察知できるように緊張感を持って行動するよう気を付けられたい。


2.【中東】中東諸国:緊張の高まりに関する注意喚起
 ここ数か月間、中東地域での緊張が高まっている。イエメンに拠点をおく親イランの武装勢力フーシ派が紅海等を航行する民間船舶らに対する攻撃を継続しており、これに対してイギリス・アメリカがフーシ派拠点に対する攻撃を複数回行うなどしている。また、先月、イラン武装勢力がヨルダンに駐留する米軍部隊に対し攻撃をし、兵士3人が死亡したことを受けて、アメリカのバイデン大統領は報復攻撃を宣言し、今月初め、実際に攻撃したことが発表された。
 この流れを受け、中東地域において事態が急速に悪化する恐れがあるとして、我が国の外務省より危険情報が発出されている。

 2月4日付「中東地域における緊張の高まりに関する注意喚起」:
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2024C004.html

ワンポイント・アドバイス
中東地域は周辺も含め、突然の衝突や急激な事態の悪化が発生する可能性もある。中東地域への渡航に関しては最新情報を確認し、事態の急変また予兆がみられる場合には渡航の中止や目的地の変更など速やかに対応されたい。また中東地域内に限らず、アメリカ・イギリスの政府機関や軍関連施設なども攻撃されるリスクが高まる可能性がある。アメリカやイギリスの政府機関や軍関連施設には安易に近づかず、必要がある場合は最小限の時間の滞在にするよう注意されたい。


3.【米州】アメリカ:観光客が写真撮影中に事故死
 アメリカ・ユタ州で2月3日(土)、峡谷で写真を撮っていた19歳の男性が転落死した。
 男性は友人と共にユタ州の観光地ブルー・バレー周辺をハイキングに訪れており、よい写真を取ろうとした際に転落したものとみられている。崖の端が崩れた可能性も考えられるという報道もあるが、実際の詳細な状況は不明。

ワンポイント・アドバイス
 景勝地は、険しい自然の中にあることが多い。現代では、ネット上にアップして注目を浴びたりするために、危険を冒して写真や動画を取ろうとする人は多いが、そのために命を失っては本末転倒である。
 有名な景勝地や観光地で写真や動画を取る際は、生命に危険を冒すほどの無理をして撮ることは控えるよう気をつけられたい。


4.【欧州】フランス:9月までのストライキ予告
 パリ交通公社(RATP)の労働組合は、2月5日~9月9日までの約7か月間にわたり、ストライキを行うことを予告した。
 労組と公社との交渉が決裂して実際にストライキが実施されれば、パリ五輪期間中(オリンピックが7月26日~8月11日、パラリンピックが8月28日~9月8日)にも影響が及ぶ可能性がある。
なお、これとは別にフランス国鉄(SNCF)は2月16~18日にかけてストライキを行うと発表した。

ワンポイント・アドバイス
 パリ交通公社はパリ市内の地下鉄、バス、トラムの一部、空港とパリ市内を結ぶバスなどを運行している。国鉄は長距離列車や郊外を走る列車、トラムの一部などを運行している。
 ここまで長い期間のストライキ予告はフランス国内でも驚きをもって各メディアから報道されている。
 今年はパリ・オリンピックがあることもあり、フランスへの渡航者は非常に多くなると考えられ、パリ市内をはじめ国内交通も混雑が予想される。さらにストライキが実施されるとなれば、スケジュールに影響が出る可能性が大きくなる。
 今年フランスへの渡航を予定する場合は、最新情報を確認し、現地到着後も柔軟に対応できるよう準備・心構えをしていくようにされたい。

 

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