3月に入り日本の水際対策も少しずつ緩和され、国際的な人の往来も徐々に増えてきました。また、一部の会員では今春からの中長期留学を中心に海外派遣を再開しています。

そこで、海外派遣先として日本の学生が多く渡航する国の中から、今回はカナダとイギリスの教育機関関係者にそれぞれの国や学校の現在の状況についてお話しを伺いました。

以下は、イギリス・CIE-Oxford ファイナンシャルマネージャーの千田学史さんへのインタビューです。

現在のイギリスの感染状況をお知らせください。
2021年12月にオミクロン株が猛威を振るい始めてから、自宅勤務やマスク使用が再び義務となりましたが、変異株の特徴が次第にわかり、ブースターワクチン（３回目）接種も進んできていることから、2022年2月24日にほぼすべての規制が撤廃されました。現在は、１日の感染状況が3万人程度に落ち着いています。また、入院者数もオミクロン株が発生した当初と比べ3分の1程度まで下がってきており、病院での対応にも余裕が出てきていると聞いております。

コロナ前の状況と比較して、日常生活で変わったことはありますか？また、不便になったと思うことがあればお知らせください。
現在の生活はコロナ前とほとんど変わらない状況までに戻りました。スーパー、パブ、レストランでもマスク着用の義務ではなく奨励程度です。2月24日以降、コロナ陽性者の自宅隔離義務も取り除かれました。しかし、陰性となるまで自宅療養をする方が多いため、オフィスや学校ではスタッフや教員の代行手配は大変だと思います。生活レベルにおいては、物価が上がっていること以外には特に違いは感じません。

オックスフォード周辺の医療状況はいかがでしょうか。コロナの影響で一般の治療に支障などは生じていますか？
医療機関の逼迫はだいぶ落ち着きました。一般の治療も通常に戻りつつあります。

マスクの着用は市民に浸透をしていますか？
イギリスは、他のヨーロッパ諸国と比べても、マスク着用に慣れない国だと思います。マスク着用が義務でないとマスクをする人は極端に少なくなります。現在では屋内や交通機関でもマスク着用も義務ではありませんので、マスク使用率は3－4割程度で、屋外に限ると1割かそれ以下になります。

現在の学校の授業形態をお知らせください。対面式授業は開始されていますか？
学校や大学の授業は2021年3月から対面授業が再開されていました。2021年7月にイギリスで全て規制が撤廃された時点ではオンライン授業と対面授業の割合は半々くらいだったと記憶しております。2022年2月現在では、地元の学校や大学の授業は対面式で行われています。

現在の日本人を含む留学生の受け入れ状況をお知らせください。
オミクロン株が流行してから、一旦は留学生数が減ったものの、徐々に回復してきました。イギリスへの渡航規制がほぼ撤廃されたことや自己隔離や陰性証明が必要なくなったためだと思います。今年に入り長期留学の問い合せが増え始め、最近では夏の短期留学のお問い合わせも多くなっています。

留学生の滞在方法はどのようなものがありますか？コロナ禍での滞在で気を付けることはありますか？
陽性となった場合に隔離義務があった以前と比べてホームステイ、寮滞在共に手配に支障をきたすことはなくなっています。陽性となった場合、寮滞在では極力外出を避け、人が多く集まる場所を避ける、食事を運んでもらうなどの配慮が必要です。また、ホームステイ滞在では、家族が集まる場所ではマスクをするように心がけることが重要だと思います。

コロナ禍の状況でイギリス留学をする学生に対してアドバイスがあればお知らせください。
イギリスを含め海外では、周りの意見や行動に流されるのではなく、自分の考えを発言し、行動する習慣があります。
現在はコロナ規制が撤廃され、マスク使用が義務となっていません。しかし、周りがマスクをしていないからといって気を緩めるのではなく、その場の状況を考えて行動してください。
また、海外での楽しい留学生活では気が緩みがちです。コロナの予防だけに限らず、盗難や犯罪に巻き込まれない様、常に周辺の環境や安全の確保を気にしながら行動するよう心がけてください。

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「オミクロン株」の亜種で感染力が強いとされる「BA.2」への感染拡大が懸念され、依然として予断を許さない状況は続いています。このような状況の中では、日常的に最新情報を収集し、柔軟な対応ができるように留学に備えることをお勧めいたします。

＊この記事は3月1日に実施したインタビューを基に掲載しております。
＊この記事に関するお問い合わせはJCSOS事務局までお願いいたします。

→→→コロナ禍の留学事情を海外大学関係者に聞く【カナダ編】